結論からいうと、一人暮らしでも保護猫を譲渡してもらうのは可能です。
しかし、保護猫の里親になるには条件が設けられている所がほとんどなので、団体によっては単身者不可としている場合もあります。

お住まいの地域の団体のホームページなどを確認してみてくださいね。
都心部では、たとえば以下の団体なんかは一人暮らしの方への譲渡可能と明記していましたよ。
さらに、東京都動物愛護相談センターのホームページを確認しても、一人暮らしNGとの記載は見られませんでした。
保護猫を譲渡している団体によっては「単身者不可」という条件設定のところもありますが、その理由としては以下の点を懸念しているのだと思われます。
- 家を留守にする時間が長い
- 収入に余裕がない
- 引越し・結婚などのライフステージの変化
- 飼育放棄・虐待
家を留守にする時間が長い
一人暮らしで会社員の場合、日中は家を留守にしている方がほとんどでしょう。
猫は一匹でも大丈夫というイメージがありますが、猫の性格によっては長時間一匹でいるとストレスに感じる寂しがりな子ももちろんいます。
くわえて子猫の場合は急な体調の変化に備えるために、日中でも誰かが家にいる方が望ましいとされます。
子猫はまだ胃が未発達なので、食餌も1日6回に分けてこまめに与える必要もありますよ。

日中留守にしがちな場合は、ある程度大きくなった成猫を選ぶ方が安心です。

大人の猫ならわりと落ち着いてるし、どんな性格かわかりやすいにゃ
収入に余裕がない
これはまあ少し偏見も入っていると思われますが、どうしても単身者、とくに若い人だとペットの飼育費用に余裕ががないのではないかと思われてしまいがちです。
一人暮らしは自分一人で生計を立てているケースも多いので、万が一仕事を解雇されたりして収入が減った場合、猫を捨ててしまうのではないかと懸念する団体もいるのでしょう。
個人的には家族と住んでいる一般世帯であっても収入はまちまちですし、判断が難しい点だと思います。
引越し・結婚などのライフステージの変化
一人暮らしの場合、今後転勤や結婚を機に引越したりする可能性が高いです。また結婚したら、その相手や生まれてくる子どもが猫アレルギーということもあるかもしれません。
また譲渡した相手が高齢の場合は、猫が寿命を全うする前に飼い主が亡くなってしまうといったことも考えられますよね。
いずれのパターンにせよ、万が一自分がお世話できなくなった場合に備えて、猫の後見人を見つけておくのが賢明でしょう。

保護団体によっては、後見人の有無を確認するところも多いです。
飼育放棄・虐待
これはそもそもあってはならないことですが、残念なことに世の中には生き物をいじめて楽しむような人間もいます。
ほとんどの里親希望者は家族として一緒に暮らすために保護猫を探していますが、ごくまれに猫をいじめる目的で里親募集に応募する者がいるのも事実です。
ちなみに今回調査していて、「男性の一人暮らしは保護猫を譲渡してもらえない」という旨のネットの書き込みを目にしました。
たしかに団体によっては男性の一人暮らしはNGとしているところも中にはあるでしょうが、今回調べた限りでは男女で区別するような条件設定は見られませんでした。
また公益財団法人動物環境・福祉協会Evaに寄せられた統計を確認したのですが、虐待をしている人間の男女比についてはとくに言及はありませんでした。
ちなみに以下の資料では動物虐待の数が年々増えているように見えますが、あくまでも検挙数が増えているというだけと思われます。

保護猫を譲渡してもらう方法としては、おもに以下が挙げられます。
- 地域の動物愛護センター
- 民間の里親サイト(ネコジルシ、ペットのおうち など)
- 保護団体、NPO法人
- 動物病院のホームページ
ほかに身近なところでは、地域のスーパーや商店街の掲示板に張り紙などで募集していることもあります。
またお住まいの地域に保護猫カフェがあるのであれば、そこ経由で紹介してもらうのもいいでしょう。
費用はいくらぐらいかかる?
保護猫を引き取って飼育するにあたって、最低限必要な費用についてまとめてみました。
- 譲渡費用(団体や個体によって異なる)
- 2段以上の大型ケージ(約10,000円~)
- ペットキャリー(約3,000円~)
- 猫用トイレ(約3,000円~)、食器(約1,000円)、ブラシ(約1,000円)など日用品
- エサ、爪とぎ、トイレ砂など消耗品(あわせて約3,000円/月)
センターや団体に支払う譲渡費用がいくらぐらいなのか気になるところですが、これは施設によって全然変わってくるので、気になる方は施設に直接お問い合わせするのをおすすめします。

参考までに、施設ごとの譲渡費用について調べてみました。
動物愛護センター (県や市の公的機関の場合) | 無料 (マイクロチップ登録料で数千円かかるかも) |
民間の里親サイト (個人が里親募集している場合) | 無料 +医療費別途 |
NPO法人アルマ(東京) | 5,000円 +医療費一部負担金:18,000~30,000円 |
東京キャットガーディアン | 39,000円(税抜) |
金額だけみるとNPO法人(保護団体)の譲渡費用が高く感じられるかもしれません。
しかし猫を飼うにあたって、避妊去勢手術やワクチン接種でおよそ30,000円ほどの医療費がかかってくるので、その費用が含まれていると考えるととくに不思議な金額ではありません。
調べてみた結果、一人暮らしでも保護猫を譲渡してもらえるということがわかりました。
団体によっては単身者NGなところもありますが、体感で5割がたの施設はもしもの際の後見人を決めておけば、一人暮らしでも保護猫を譲渡してくれます。
譲渡費用は0~5,000円に設定されているところが多く、その他に医療費で別途30,000円ほどかかるのが一般的です。
ここまでを踏まえて、一人暮らしで保護猫を飼うにあたって気を付けたいポイントは以下の通りです。
- いざというときの後見人を見つけておく
- そもそも収入に余裕があるかどうか確認
- 日中留守にする時間が長くないか?旅行などの際の世話はどうするか?
- 今後ライフプランの変化がある可能性についても考えておく
上記をクリアしたうえでもなお、一緒に暮らすパートナーとして保護猫を検討してもらえるとうれしいです。
お読みいただいたあなたに、素敵な猫さんとの出会いがありますように。