保護猫を迎えてすぐの時期は、ケージに入れてお世話するのがおすすめです。
一見、「ケージ暮らしなんてかわいそう」と思ってしまいますが、家に慣れないうちはケージ内の方が猫にとって安心できる環境だったりもするんですよ。
保護猫を迎えるにあたってのケージの重要性や、いつまでケージ飼いをすべきかの目安について、筆者の経験も交えてご紹介していきます。
また撫でようとすると引っ掻いてくるような、あまり人馴れしていない猫とコミュニケーションをとる方法についても取り上げていきます。
保護猫を家に迎えた際、そもそもケージは必要なのか?という疑問を持つ方も多いでしょう。
実のところ私も保護猫を飼った当初はそういう考えで、ケージなしでしばらく過ごしていたのですが、近寄っても猫が逃げなくなるまでおよそ3ヶ月ほどの期間がかかってしまいました。

家に来てキャリーから出されてすぐに、ベッド下のスペースに隠れてしまい、その後2日間まったく出てきませんでした。
夜中など私が見ていないにもかかわらず、丸2日間飲まず食わずでトイレもしなかったので、とても心配したのを覚えています。

2日目の夜に、たくさんオシッコしてすっきりしたにゃ

脱衣所のバスマットに粗相してたけどね。(とはいえ安心した)

1ヶ月経ったころにようやく、私の前でエサを食べてくれるようになりました。
「人間の手が怖いみたいだけど、そのうち撫でれるかなー」とその後も呑気に過ごしていたところ、なんと飼育して1年経っても全然なでなでできないという状況に。

私の後を追ったりして懐いてはいたのですが、手を伸ばすと猫パンチされる毎日でした。
この経験から、保護猫を迎えた際はまずケージ飼いしたほうがいいんだなと実感したものです。
最初はケージ飼いしたほうがいい理由として、ほかにも以下の点が挙げられます。
- ケージが安全基地になるので猫が安心できる
- 人や環境に慣れてもらいやすい
- 誤食や脱走といった危険を回避できる
我が家の場合は1年経過後にようやくケージを導入して、人馴れ訓練をしたところ、今ではナデナデ大好きな猫になってくれました。人馴れ訓練のしかたについては、後ほどご紹介します。
保護猫を迎えてケージに入れてしばらくは、構ったり覗き込んだりせずにそっとしておきましょう。憧れの猫との生活でわくわくしてしまうところですが、ぐっと我慢。
餌やりやトイレ掃除などのお世話をするとき以外は、あまり気にしていない風を装って放っておくぐらいがちょうどいいかもしれません。ただし体調の変化が大きい子猫の場合は、定期的に様子見すると安心です。
さてこうなると一番気になるのが、「いつまでケージ飼いすべきか?」ですよね。
お迎えした猫をケージから出すタイミングとしては、個体によってまちまちではあるものの、「手で撫でられるようになったら」というのが一つの基準として挙げられます。

先述した通り、部屋で放し飼いだとなかなか距離を縮められません💦
もともと人間との生活に慣れている猫であれば、お迎えから3日ほどで問題なくナデナデできるようになるかもしれません。ケージの扉を開けて、しばらく待ってみましょう。おそらく猫の方から部屋に出てきて散策をはじめてくれるはずです。

ケージから無理やり出したりせずに、こっちから出るのを待っててほしいにゃ
また長期間ケージ暮らしなのは猫にとってストレスにならないか?と心配になるかもしれませんが、猫は基本的に上下運動ができるスペースがあれば大丈夫な生き物といわれています。
2段や3段の棚があるケージであれば、十分満足して過ごしてくれるでしょう。
猫用のケージは2段以上、最低でも1mくらいの高さのあるタイプが向いています。
基本的に猫は上下運動が必要な生き物なので、ケージは広さよりも高さを重視して選ぶといいでしょう。子猫を迎えて短期間だけ入れておくなら1段の小さめのもので事足りるような気もしますが、今後も使うことを考えて十分な大きさのあるケージを用意しておくのをおすすめしますよ。
具体的におすすめのケージとしては、以下のようなものが挙げられます。
【Amazonベーシック 猫用ケージ 91cm×56cm×130cm :10,843円】

我が家でも使っている猫用ケージです。成猫でも余裕サイズの大型のケージですが、全体的に黒色でシンプルなデザインなので、部屋に置いておいてもそれほど圧迫感を感じません。
さらに小さく折りたためるので、使わないときはクローゼットにしまっておけるのもうれしいポイント。個人的には、使うときは接続部を結束バンドなどで補強したほうが、より安心と思われます。
【3段キャットケージ 76.3cm×50.7cm×132.5cm:8,580円】

高さのある3段ケージですが、上り下りしやすい梯子つきなので子猫やシニア猫でも使いやすい商品です。扉が3つもついている上に天井がフルオープンになるので、毎日のお世話や人馴れ訓練もしやすそう。
10,000円以下にもかかわらず、高さがあって機能性も十分なので、とてもコスパのいい商品といえます。
色味はグリーンとグレーの2種類が販売されています。

他にも、横に拡張できるタイプなど様々なケージが販売されているので、ぴったりのものを探してみてくださいね
野良生活の期間が長かったり臆病な猫は、撫でようとしても人間の手を怖がって逃げたり攻撃してくる場合も多いでしょう。あまり人馴れしていない猫とコミュニケーションを取るうえでも、ケージは有効です。
ケージ越しに孫の手のような棒状の物を差し入れて撫でたり、ちゅーるを先につけて口周りに持っていくことを繰り返して、人間の手は怖くないよということを猫に伝えていきます。顔周りや頭を中心に、そっと撫でてみましょう。
我が家の場合は、「なで猫しゃもじ」という猫用のマッサージブラシをクイックルワイパーの柄で伸ばしたものを使ってナデナデ訓練を行いました。
撫で訓練の後は、大好きなおやつをあげるようにしましょう。これを繰り返して、「撫でられるといいことがある」という認識を猫に刷り込ませることで、徐々に人の手に慣れさせます。
棒状の物を怖がる子の場合は、タオルやフリースを手にぐるぐる巻きにした状態で撫でてみるのもおすすめです。


ケージ越しに撫でても攻撃しなくなったら、つづいてケージの扉を開けて手を差し入れた状態でナデナデ訓練をしていきます。
扉を開けて素手でも問題なく撫でれるレベルになったら、いよいよケージ卒業のタイミングです。扉を開けた状態で猫が自分のペースで出てくるのを待ちましょう。

ケージ越しに訓練したから、飼い主にもっと近づけるようになったにゃ

手を怖がらなくなってから、よりべったりになったよねえ
もしかしたら、そうスムーズに人馴れできない猫もいるかもしれません。その場合もそれがその子の個性だととらえて、気長に付き合っていける人が少しでもいるならば、猫好きな筆者としては幸いです。
その子に合った環境ややり方を考えて、家族の一員としてゆったりと関係を深めていけたら素敵ですよね。
保護猫を迎える際は、ケージを事前に用意しておくのがおすすめです。
- ケージが安全基地になるので猫が安心できる
- 人や環境に慣れてもらいやすい
- 誤食や脱走といった危険を回避できる
猫は基本的に上下運動ができるスペースがあれば大丈夫な生き物なので、2,3段ある高めのケージであれば長期間いても割とストレスなく過ごしてくれます。
手を怖がって攻撃してくる猫の場合は、ケージの外から訓練を重ねて徐々に馴れさせましょう。
もしスムーズに人馴れできなかったとしても、それも個性のひとつ。皆さんの家の猫さんが、それぞれに合った環境でリラックスして日々を過ごせるようになりますように。
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