里親さんから保護猫を引き取った際、猫の性格によっては新しい環境にびびってしまっていることも多いでしょう。
またこれまで野良生活を送っていて、まったく人馴れしていない猫もいますよね。
今回はさいきん保護猫を迎えた・もしくはお迎えする予定がある方に向けて、保護猫との出会い方や飼い方の基本、馴れさせるコツについて解説していきます。
まずは猫、ないしは保護猫についてくわしく知りましょう。
猫はツンデレで基本的にはひとりが好き、というイメージを持つ方がほとんどでしょう。
しかし猫にもそれぞれ性格があるようで、甘えん坊で飼い主が長時間家にいないとストレスに感じる子もいます。
一人暮らしでも猫は飼えますが、仕事で帰宅が遅くなっても大丈夫か、旅行などで数日家を空ける場合はどうするかといったことは事前にシミュレーションしておきましょう。

ちなみに我が家の猫は、定期的に構わないと鳴いてアピールします。

かいぬし、パソコンばかり触ってないで、なでてよ~
また猫はあまり手がかからない印象がありますが、運動やストレス発散のためにも、できれば毎日遊びやコミュニケーションの時間を取ってあげましょう。
くわえて保護猫を飼うにあたって覚えておきたいこととして、「馴れるまでのスピードは個体差がある」という点が挙げられます。
たとえば野良出身の成猫では警戒心の強さから、なでなでしたり抱っこできるまで、数ヶ月ないしは数年かかるかもしれません。
「それもこの子の個性だ」と捉えて、その猫にあったペースでのんびり気長に接していけるといいですね。
保護猫と出会う方法としては、大きく以下の4つが挙げられます。
- 地域の動物愛護センター
- 民間の里親サイト(ネコジルシ、ペットのおうち など)
- 保護団体、NPO法人
- 動物病院のホームページ
ほかに身近なところでは、地域のスーパーや商店街の掲示板に張り紙などで募集していることもあります。
いずれも子猫がたくさん生まれる3~8月にかけては件数がとくに多い印象ですが、年間を通して広く募集されています。
野良猫を見つけたので保護したい!
野良猫を保護して飼いたい場合は、捕獲する前に以下の点を確認しましょう。
- 誰かの家の飼い猫じゃないか
- 子猫の場合、母猫は近くにいないか
猫の室内飼いが望ましいとされて久しいですが、まだまだ外出OKのお家も多いです。フクフクとした毛並みのいい猫の場合などはとくに、どこかの家の子じゃないか確認しておきましょう。
まだ幼い子猫の場合は、母猫にお乳や愛情をもらったり、兄弟猫と過ごして社会性をはぐくむべき大切な時期かもしれません。
生後8週目の歯が生えそろって自分で餌を食べられる頃合いまで、見守ったほうがいいでしょう。

母猫がずっと帰ってこなかったり、命の危険がある場合はこの限りではありません。
野良猫を捕獲する際は、以下の道具を準備しておくとスムーズです。
- 捕獲器
- 捕獲後に猫を入れるペットキャリー
- タオル(キャリーにかけると猫が落ち着く)
- 軍手や長袖服(捕獲時のけが防止のため)
- チュールなどの猫おやつ
捕獲器はAmazonやホームセンターで3,500円ほどで購入できるほか、動物愛護センターや保護団体によってはレンタルしていることもあります。
道端の日陰になるところにおやつを入れた捕獲器を設置してその場を離れ、時間をおいて確認するのを繰り返します。
保護した後は、すぐに動物病院に連れていってあげましょう。

のらねこはダニやお腹に虫をもってることも多いにゃー
保護猫を飼うにあたって最低限かかる費用としては、以下が挙げられます。
- 譲渡費用(団体や個体によって異なる)
- 2段以上の大型ケージ(約10,000円~)
- ペットキャリー(約3,000円~)
- 猫用トイレ(約3,000円~)、食器(約1,000円)、ブラシ(約1,000円)など日用品
- エサ、爪とぎ、トイレ砂など消耗品(あわせて約4,000円/月)
- 避妊去勢手術代(約15,000~40,000円)や毎年のワクチン代(3,000~10,000円)
ざっくり計算して、初期費用としては「譲渡費用+22,000円」といったところでしょうか。
譲渡費用については団体や猫によって異なってきますが、20,000円ほどは見ておいた方がいいでしょう。

譲渡費用の例として、うちの猫の場合は以下の内訳でした。
治療費 (検査・避妊手術・耳ダニの除去) | 12,800円 |
活動寄附金 | 5,000円 |
交通費 | 1,000円 ※ |
合計 | 18,800円 |
※隣の市から車で連れてきてもらったので、既定のガソリン代をお支払い
上記はあくまで一例なので、譲渡費用について気になる方は、地域の愛護センターや保護団体に直接問い合わせてみてくださいね。
いよいよ念願の保護猫をお迎えしました。すぐにナデナデ構い倒したくなるところですが、まずはケージでの生活に慣れてもらうまで、ときどき様子をみるくらいに留めましょう。

なれるまではそっとしておいてほしいにゃ
ケージに閉じ込めておくなんてかわいそうと思われる方もいるかもしれませんが、基本的に猫は上下運動できるだけの余裕があれば、それなりにストレスなく過ごせる生き物です。
また人馴れしていない猫にとっては、ケージ内の方が網越しで安全という認識になるのか、早めにお家になじんでくつろいでくれることが多いですよ。
最初の2週間は、フード・水の交換やトイレ掃除などの最低限のお世話に留めたほうがいいでしょう。
その際に猫がリラックスした様子であれば、手を伸ばしてナデナデしてみましょう。威嚇や引っかかれたりすることなく、素手で触れるようであれば、ケージの扉をあけて部屋に出しても大丈夫です。
まったく触れない、手を怖がる猫への対処法
保護猫によっては、これまで人間にひどいことをされたりして人間全般が怖いという子もいます。中にはケージに近寄っただけで、びびって威嚇しちゃうような猫もいるかもしれませんね。

人慣れしていない子の場合は、まずはケージの外から撫でられるように訓練しましょう。
孫の手などを使って、ケージの外から猫の首回りを軽くカキカキしてみましょう。おそらく孫の手をケージに入れた瞬間に威嚇や猫パンチしてくると思いますが、気にせず対応します。

上記の写真は、私が実際にモンちゃんをナデナデ訓練させているときのものです。孫の手ではなく、ペットショップで購入した「なで猫しゃもじ」というマッサージブラシを棒で延長して撫でてみました。

【メール便可】ドギーマン なで猫しゃもじ
表面のでこぼこが猫の舌で舐められているような感覚になるそうで、うちの猫にはこれがハマったようです。
また、棒状のものを向けられるのを怖がる猫もいるので、その場合はフェルトなどの柔らかい素材の布を手に巻いた状態で優しく頭を撫でてあげるのもいいでしょう。
数分ほどナデナデ訓練をした後は、美味しいおやつをあげるのも忘れずに。こうすることで猫の中で「撫でられる=いいことが起こる」とポジティブな向きに学習してくれます。
あとは、孫の手から素手に、ケージ越しから扉を開けて直接、と段階的に距離を詰めていきましょう。
月日はかかるかもしれませんが、どの猫もいつか必ず撫でられると信じて、その子のペースに合わせてゆっくり馴れさせられるといいですね。

ちなみにわたしは9ヶ月間もケージにいたにゃ

心折れそうになりながらも、お互い頑張ったねえ。
ここまで、保護猫との出会い方や飼い方の基本、馴れさせるコツについてご紹介してきました。
動物愛護センターや里親サイトなど、さまざまなところで保護猫の飼い主を募集しています。保護猫を飼いたいという方はぜひ、地域の施設やサイトをチェックしてみてください。
また、保護猫の中にはトラウマを持っていたりして、懐くのに時間がかかる子もいるでしょう。馴れるまでのスピードには個体差があることを念頭に、その猫にあったペースでゆっくり距離を縮めていけると素敵ですね。
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初めまして。
4月から保護猫を引き取り生活をしています。
推定1歳半の男の子です。
約4ヶ月が経過している中ですが、稲さんと同様に遊びの催促や食事、手からチュールを食べるなどなんとなく慣れてはいるのですが、平常時に手を伸ばすと後退りをされ逃げられるという状況です。
このままでは病院にもいけず爪も切れず、なんとかしたい思いで調べていたところこちらの記事を拝見しました。
記事の中に、1年経過したのちにケージ生活にして人慣れ訓練を8ヶ月したと記載がありましたが、その感は外に出さずの生活だったのでしょうか。
突然コメント申し訳ございません。
コメントありがとうございます。
少しでも参考になればいいのですが…!
おっしゃる通り、8ヶ月間ずっとケージ内で飼育していた形です。
理由としては、触れない・だっこできない状態で一度出すと、ケージに戻す際に追い掛けまわすことになり、かえって人間への不信感を増してしまうのでは?と考えたためです。
猫さんは基本的に、上下運動ができればケージ暮らしでもそれほど問題ない生き物らしいので、
今後も触れそうな気配がないのであれば、一度完全ケージ飼いして人慣れ訓練させるのもアリだと思います。
ちなみにうちの猫は病院嫌いのため、いまだに病院に行く際は無理やり捕まえる形です。
洗濯ネットに入れた状態でキャリーで病院に連れて行き、ネット越しに診察してもらっています💦
Amazonなどで猛獣用の革手袋を買っておくと、引っ掻いたり噛みついたりされてもノーダメージのため、安全に捕まえられます^^
親子猫を保護し飼い始めました。一緒にケージに入れていますが、母猫用ご飯を子猫が食べてはいけない?と思い、子猫用をあげていたら3日目に母猫が下痢をしてしまいました。
どうやったら成猫と子猫にちゃんと分けて食べてもらえるのか知りたいです。
佐藤 さま>
うまいやり方が思いつかないのですが、ごはんあげるときだけ子猫だけケージから出す(食べたら戻す)とかはできないんですかね?それとも怖がって食事どころじゃなくなるのでしょうか。
きっと子猫用フードの方がカロリー高くておいしいから、親猫もそっちを好んでしまうのでしょうね><
親猫が食べてしまうのはとりあえず良しとして、他の子猫用フードを試したり、乳酸菌サプリを検討するといいかもと思いました!
(コメント見かけた方で、もっといい方法を知っている方がいらっしゃれば、教えてください)